声劇台本 きづいてほしいの

【3人用 声劇台本】きづいてほしいの 男1:女2

 2020年7月4日

 

きづいてほしいの

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配役

カナ :
先生 :
あかね:

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■ 学校・廊下

カナ 「せーんせっ!」

先生 「おお、カナか。どうした?」

カナ 「今日はなんの日でしょう?」

先生 「あー悪い、先生いま忙しいんだ。」

カナ 「ええー、つまんないの。じゃあ、いつだったら聞いてくれる?」

先生 「そうだな・・・また、あとでな。」

カナ 「うー。」

あかね「ふふ、カナってば、またストーカーしてるんだ?」

カナ 「ちょ、人聞きの悪いこと言わないでよ!」

あかね「そんなにアタックしてるのに、ぜんぜん振り向いてくれないなんて。つらいよね。」

カナ 「あ、あなたには関係ないでしょ!」

あかね「関係ないかな。そうかな。」

カナ 「なにか言いたげな顔してるわね。」

あかね「ま、知らないほうがいいこともあるよ。せいぜいがんばって。」

カナ 「なによそれ・・・ってちょっと! 話を勝手に終わらせないでよ・・・ったく、なんだってのよ、もう。」

■ 学校・教室

先生 「じゃあ続きは次回。教科書で言うと45ページからだな。しっかり読んどけよ。」

カナ 「せーんせっ!」

先生 「なんだまた来たのか。今度はどうしたんだ?」

カナ 「さっき答えてもらえなかったから、もう一回ね。今日はなんの日・・・」

先生 「あ! ああー! このあと大事な会議があるんだった。悪い、またな。」

カナ 「なにそれ! 先生わたしのこと避けてるでしょ!」

先生 「そんなことあるわけないじゃないか。先生にもいろいろとあるんだよ。」

カナ 「いろいろって・・・そのいろいろに、わたしもまぜてくれたっていいじゃない!」

先生 「いや、もちろんカナのことだってちゃんと考えてるぞ。」

カナ 「えっ・・・」

先生 「だから、また今度、時間あるときに聞くから。な。」

カナ 「・・・ちがうのよ先生、今日じゃなきゃダメなの!」

先生 「いけない、時間だ。」

カナ 「もう、せんせーい! 行っちゃった・・・。」

あかね「逃げられちゃったね、ストーカーさん。」

カナ 「うう、なによ、あなたこそわたしにストーカーしてんじゃないの?」

あかね「ふふ、そうかもね。迷惑だった?」

カナ 「べつにそういうわけじゃないけど・・・。」

あかね「だったらいいじゃない。で、なんの日なの、今日って。」

カナ 「それはっ、わたしと先生だけのヒミツよ!」

あかね「ふーん、先生はわかってなさそうだったけど。」

カナ 「いいえ、先生が知らないはずないわ。知っててわたしを避けてるのよ。ぜったい。」

あかね「考えすぎじゃない?」

カナ 「だって、そうとしか思えないわ!」

あかね「そう。まあいいけど。・・・30分後。」

カナ 「え?」

あかね「30分後、先生は屋上にいるはずよ。」

カナ 「どうしてあなたが知ってるのよ。」

あかね「さあ。あたしと先生だけのヒミツ、かな?」

カナ 「・・・ふざけるのもいいかげんにしてよ。」

あかね「まあ、信じる信じないはカナ次第ね。じゃ、がんばって。」

カナ 「あ、ちょっと! なんなのよ、一体! ・・・・・・。気に食わないけど、ほかに心当たりもないし、いいわ、行ってやるわ! これでもしいなかったら・・・覚えときなさいよ、もう!」

■ 学校・屋上

カナ 「はあー、待ってると時間経つのおっそいよね。もう、本当に来るのかしら。わたし、やっぱりだまされてる・・・?」

カナ 「あ、来た!!! え、ちょっと、どうしよう!」

カナ 「・・・って、あかね!? なんであかねが先生と一緒にいるのよ。まって、どういうこと??」

カナ 「とっさに隠れちゃったけど、これじゃここまで来た意味ないじゃない。うー、がんばれわたし。だいじょうぶ、こわくないわ。先生とあかねがどんな関係だろうが、わたしの知ったことじゃない。第一、ここに来るのを教えてくれたのはあかねなんだし、一緒にいたってぜんぜん不自然なんかじゃないわよね。わたしはわたしがしたいことをするだけ。こわくない、こわくない、こわくないっ・・・!!」

カナ 「まって、あかねいなくなってるんだけど!! わたしの心の準備返して! ・・・・・・ううん、よくよく考えたらかえって好都合じゃない。いるのは先生だけ。わたしは話しかけさえすればいい。単純明快なことよ! よし・・・よしっ、行くぞわたしっ!」

カナ 「せーんせっ!」

先生 「ん? おお、カナ。よくここにいるのがわかったな。」

カナ 「ふふん。わたしの情報網にかかれば、そんなことくらいわけないわ!」

先生 「ん、ああ、そうか。でも、ちょうどよかった。じつは先生もカナに用があったんだ。」

カナ 「えっ・・・?」

先生 「なんだか当ててみるか?」

カナ 「そ、そんなの、わかるわけないじゃない。」

先生 「はは、それもそうか。じつはな・・・。」

カナ 「まって、まって! まだ心の準備が!」

先生 「カナが作った交通安全標語、市内で最優秀賞に選ばれたんだ!」

カナ 「・・・・・・・・・・・・ふぁ??」

先生 「さっきの会議も、その件についてのことでな。それまで確定してなかったし、期待だけさせて結果ダメだったらかわいそうだから、なにも言わずにいたんだよ。」

カナ 「え、あ、うん。」

先生 「顔が完全に豆鉄砲くったハトになってるぞ。そうそう、明日の全校集会で表彰することになったから、心の準備、しておけよ。」

カナ 「ふぇえ!? あ、うん、はい。」

先生 「よし、じゃあ明日に備えて早いとこ帰れ帰れ! 寄り道するんじゃないぞー!」

カナ 「え、あ・・・ああーー!! 行っちゃった・・・。」

カナ 「えーん、今日誕生日なんだよ、先生! プレゼント、あげそこなっちゃったじゃない・・・。なんか、一気につかれちゃった。いいわもう、帰ろ。」

あかね「・・・せっかく絶好のチャンスをあげたのに、失敗しちゃったか。はあ、キューピッド役も、楽じゃないよね。ま、そこが楽しいとこでもあるんだけど。」

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