きれいな石
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配役
青年 :
少女 :
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少女「ねえ見て、きれいな石。」
青年「え、どれどれ。」
少女「ほら、これ。」
青年「わあ・・・ほんとうにきれいだ。これ、どこで見つけたの?」
少女「えっとね、そこの茂みをぬけたところ。ほかにもへんなものがいっぱい落ちてたよ。」
青年「へんなもの?」
少女「うん! 一緒にきてみる?」
青年「ああ、うん。」
青年「・・・・・・!!」
少女「どうしたの?」
青年「まって、それ以上近づいたらだめだ!」
少女「え、どうして?」
青年「いくんじゃない!!」
少女「やっ、はなして、いたいよ・・・」
青年「ごめん、つよくやりすぎた・・・いいかい、よく聞いて。あれは・・・もとは人だったものなんだ。」
少女「えっ、ひと? でもぜんぜんそんな感じしないよ。」
青年「うん、もう変わり果てた姿になってる。じつは前に、同じものを見たことがあるんだ。・・・すぐそばに、見覚えのあるイヤリングがあった。ぼくがその人にあげたものと一緒だったんだよ。」
少女「じゃあそのひとが・・・」
青年「きっとなにかの見間違いだ、って何度も何度も思ったけど・・・だめなんだ。その日を境に彼女はいなくなったままだし、そのかたまりを彼女だって思うのが、いちばんしっくりきたんだ。もう、それ以上考えるのがいやになったんだよ・・・」
少女「・・・ごめんなさい。わたしのせいで、いやなこと思い出させちゃって。」
青年「いいんだ。ぼくのなかではもう気持ちの整理はついてる。きみはなにも悪くないよ。さあ、もう帰ろう。その石は、ここに置いていくんだ。」
少女「うう、せっかく拾ったのに。でもしょうがないよね。・・・ばいばい。」
青年「(それでいい。ぼくたちは、なにも見なかったんだ)」
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【声劇台本】 きれいな石
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